消化器内科
腹痛、胸やけ、便秘・下痢、血便など、消化管に関わるさまざまな症状に対応します。肝臓、胆嚢、すい臓などの臓器に関する診療も可能です。
当院では以下の検査を組み合わせて、原因を丁寧に調べ、適切な治療につなげます。
- 血液検査:炎症、肝機能、膵酵素などの異常を確認
- 腹部超音波(エコー):肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・腸管の状態を確認
- CT検査:必要に応じて連携医療機関にて実施
- 内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ):出血やポリープ、がんの有無を確認
例えば、みぞおちの痛みや胸やけには胃カメラ、右下腹部の痛みや発熱には血液検査と腹部エコー、血便や便秘が続く場合には大腸カメラなどを提案し、原因に応じた治療を行います。
また、ヘリコバクターピロリ菌の除菌治療、除菌後の経過観察も行っております。
当院で診療、もしくは早期発見が可能な代表的な消化器疾患(内視鏡なしで診断可能な疾患)について、病気の概念・検査・治療・予防 をわかりやすくまとめました。治療、精査の一部は当院では難しいためしかるべき病院への紹介をさせていただきます。
① 胆石症
概要
胆嚢や胆管に石ができる病気です。無症状で経過する人も多い一方、右上腹部痛(疝痛発作)や発熱、黄疸を引き起こすことがあります。
検査
腹部エコー(最も感度の高い一次検査)
CT、MRI(MRCP)で位置や閉塞の有無を確認
治療
無症状胆石:原則経過観察(日本消化器関連学会の推奨)
有症状胆石:胆嚢摘出術(腹腔鏡手術が標準)
緊急時(胆管結石や胆管炎を合併):内視鏡的結石除去(ERCP)
予防
肥満や高脂肪食、糖尿病はリスク因子。バランスのよい食事と体重管理が予防につながります。
② 急性胆嚢炎
概要
胆嚢結石が胆嚢管を閉塞し、細菌感染を伴って発症。右上腹部痛、発熱、嘔吐が典型的です。
検査
腹部エコーで胆嚢壁肥厚、結石閉塞を確認
炎症反応(CRP上昇)、白血球増加
治療
抗菌薬+点滴治療
重症例や改善が乏しい場合:緊急胆嚢摘出術
高リスク例では経皮的胆嚢ドレナージも推奨(TG18胆道感染症診療ガイドライン)
予防
胆石症の段階で適切にフォローし、リスク因子を減らすことが大切です。
③ 急性膵炎
概要
膵酵素が膵臓を自己消化して炎症を起こす病気。強い上腹部痛や背部痛、吐き気が特徴。原因は胆石とアルコールが多いです。
検査
血液(アミラーゼ・リパーゼ上昇)
CT、MRIで重症度判定
治療
絶食・大量輸液
鎮痛薬投与
重症例では集中治療室管理、膵壊死や感染時には抗菌薬やドレナージ
胆石が原因なら、ERCPで胆管結石除去
予防
過度の飲酒を避けること、胆石を早めに治療すること。
④ 嚢胞性膵疾患(膵嚢胞・IPMNなど)
概要
膵臓に液体がたまった袋状の病変ができる病気。多くは良性ですが、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN) の一部は膵がんに進展することがあります。
検査
腹部エコー、CT、MRI
超音波内視鏡(EUS)で嚢胞の性状を評価
治療
良性・小さい嚢胞:定期的画像フォロー(ガイドラインでは6〜12か月ごと)
悪性疑い(壁在結節・膵管拡張あり):外科切除
予防
予防法はなく、早期発見と定期検査 が最も重要です。
⑤ 慢性肝炎
概要
B型・C型ウイルスやアルコール、自己免疫が原因で長期的に炎症が続く病気。放置すると肝硬変・肝がんに進展します。近年は肝炎ウイルスによる肝炎は激減しています。
検査
血液(AST・ALT・ウイルスマーカー)
肝生検やFibroScanで線維化評価
治療
B型肝炎:核酸アナログ製剤(エンテカビル、テノフォビル)
C型肝炎:DAA(直接作用型抗ウイルス薬) → 治癒率95%以上
自己免疫性肝炎:ステロイド治療
予防
一度も検査したことがなく、肝機能が悪い方は一度肝炎ウイルスの検査を受けましょう。
⑥ 脂肪肝(MASLD/MASH)
概要
2023年より国際的に「MASLD(代謝異常関連脂肪性肝疾患)」と呼称。肥満・糖尿病・脂質異常に伴い発症し、進行するとMASH(非アルコール性脂肪肝炎)→肝硬変・肝がんへ進展。
今増えている疾患群です。
検査
血液検査(肝機能)
エコー、MRI、FibroScan
必要に応じて肝生検
治療
体重減量(5〜10%が有効)
糖尿病薬(GLP-1受容体作動薬など)が注目
飲酒制限
予防
食事改善(糖質・脂質制限)、定期運動。
⑦ 肝臓がん
概要
慢性肝炎や肝硬変を背景に発生。日本ではB型・C型ウイルスと脂肪肝由来が多い。
検査
腹部エコー、CT、MRI
腫瘍マーカー(AFP、PIVKA-II)
治療(日本肝癌学会ガイドライン)
外科切除、肝移植
局所治療:ラジオ波焼灼術(RFA)
カテーテル治療:TACE(肝動脈塞栓術)
全身治療:分子標的薬、免疫療法
予防
慢性肝疾患の治療と定期検診。
⑧ 膵臓がん
概要
進行が速く、予後不良ながん。無症状で進行しやすく、体重減少・背部痛・黄疸がきっかけになることも。早期発見がとても難しいがん。
検査
早期発見のために、
まずはエコーで膵管拡張を指摘することが大事。
CT、MRI、EUS-FNA(細胞診)
CA19-9(腫瘍マーカー)
治療
手術(切除可能例のみ)
化学療法
緩和治療・疼痛管理も重要
予防
禁煙、糖尿病・慢性膵炎管理。
⑨ 胆管がん
概要
胆管にできる悪性腫瘍。黄疸で発見されることが多い。
検査
CT、MRI、ERCP
腫瘍マーカー(CA19-9、CEA)
治療
外科切除が唯一の根治療法
切除不能例:化学療法
⑩ 過敏性腸症候群(IBS)
概要
器質的異常がないのに腹痛と下痢・便秘が繰り返される病気。ストレスや腸内環境が関与。
検査
大腸内視鏡で器質疾患を除外
ローマ基準による診断
治療(日本消化器病学会ガイドライン)
食事療法(低FODMAP食)
薬物療法:整腸剤、各種薬剤。
下痢に効きやすいタイプ、便秘に効きやすいタイプの薬剤あり調整可能です。
心理療法(認知行動療法など)
予防
規則正しい生活とストレス対処。
⑪ 慢性便秘症・慢性下痢症
慢性便秘症
概要:3か月以上持続する便秘。
治療:食物繊維、水分摂取、運動、下剤(酸化マグネシウム、エロビキシバット、ルビプロストン、リナクロチドなど)
慢性下痢症
概要:3週間以上持続する下痢。感染、IBD、薬剤など鑑別が重要。
治療:原因に応じた治療。器質疾患なしなら整腸剤や止痢薬。
⑫ 急性胃腸炎
概要
ウイルス(ノロ、ロタ)や細菌(カンピロバクター、サルモネラ)が原因。嘔吐・下痢・腹痛・発熱をきたします。
検査
重症例は血液検査で脱水や腎機能を評価
治療
水分補給、安静
抗菌薬は細菌性で重症のときのみ(不要な使用は推奨されない)
予防
手洗い、食品衛生。
⑬ 虚血性腸炎
概要
腸の血流が一時的に途絶え、腹痛と血便をきたす病気。高齢女性に多い。とても多い病気です。
検査
エコー、CT、大腸内視鏡
治療
絶食・点滴
多くは自然軽快
壊死を伴えば外科手術
予防
動脈硬化リスク管理(高血圧、糖尿病、脂質異常症)と言われますがはっきりとした原因は不明です。
⑭ 大腸憩室炎
概要
大腸の憩室に炎症が起こる病気。左下腹部痛、発熱が特徴。
検査
エコーやCTで壁肥厚や脂肪織濃度上昇を確認
治療
軽症:絶食・抗菌薬
重症:入院管理、場合により手術
予防
食物繊維摂取、便通コントロール。
まとめ
消化器疾患には「放置すれば自然に治るもの」から「進行すると命に関わるもの」まで様々です。腹痛・黄疸・体重減少・便通異常といったサインは見逃さず、早めに受診することが大切です。
当院の特徴
- 消化器内科専門医・内視鏡専門医による診療
- CT(他院)・エコー・血液検査による総合的診断
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